『群系』 (文芸誌)ホームページ
「群系」に対する批評 「全作家」同人誌評より
同人誌仲間の方からのメールで、小誌が紹介・批評されていることを知りました。34号〜31号についてその部分を抜粋しておきますね。
「全作家」は創刊40年以上の業界でも有力な雑誌です。
全作家文芸時評・・・文芸評論家 横尾和博
研究や評論を専門に日本の近代文学を照射する「群系」、34号は安宅夏夫「堀田善衛『橋上幻像』と浜口國雄『地獄の話』」は文学の先見性と重層化について問題意識を提起しつつ、文学の存在意義を明らかにする優れた考察。星野光徳「村上春樹論 再読(3)『羊をめぐる冒険』」は、一九七〇年代から八〇年代の文学情況をコンテクストとして、村上文学の主題を読み解こうする。「内閉の地獄」との闘いは村上の孤独な文学的営為を表象する言葉で、それは観念の迷妄が継続する現代にも通じる。卓越した論考である。
(98号掲載 閉塞を超えて)
以前にも述べたが、内容の充実という点で特筆すべきは評論と研究がメインの「群系」。
創作も掲載されているが、33号の特集「昭和戦前・戦中の文学」では、二十本の作品が寄せられ、「自由論考」村上春樹に関する考察三本ほか四本が載っている。年二回の発行だが、日本文学を活性化させる大きな力、内在力がある。
(95号掲載 新しい文学が生まれるところ)
前号でもふれたが文学研究、批評をメインとした「群系」。32号の特集は「大正の文学」で、同人がワンテーマで批評や研究論文を掲載する。「國文学」(學燈社)、「国文学 解釈と鑑賞」(至文堂)などが休刊になって久しいが、この仕事の分野は貴重な存在であり、全論考を興味深く読んだ。
(93号掲載 親和的な空気に抗して)
さて今回も同人雑誌の動きについて順不同で述べる。
文学研究、批評をメインとした「群系」の最近の仕事が目をひく。31号の特集は「明治の文学」で今後大正、昭和と続く。また過去には「戦争と文学」「震災・戦争と文学」「われらの時代1967〜2000年の文学」と気を吐く。同人がワンテーマで批評や研究論文を載せるその意気に脱帽。
(92号掲載 私の心を発(あば)く)
「全作家」誌 文芸時評欄